

茸山
山廬後方に広がる雑木山。御坂山系の一角をなし、春日山(かすがやま)、名所山(みょうしょざん)など1,000mほどの山が連なっている。一部ヒノキなどが植林された人工林があるがほとんどがクヌギ、ナラなどの広葉樹の雑木林が広がる。9月中旬を過ぎると山頂付近に茸が姿を現す。採れるの...


辛夷の咲くころ
早春が好きだった龍太は、ある時出入りの庭師に頼み、辛夷の木を植えた。昭和50年代初め狐川の河川改修で、竹林の伐採を余儀なくされた。工事で殺風景になってしまったところに植栽したのだ。あれから40年近く経ち、堂々たる大木になった。...


山廬の紅葉
11月に入ると、山廬の木々は一気に明るくなる。 後山に自生する山桜の大木もいつしか葉を紅くし、檜に伸びた蔦は美しく色付く。 さらに、ガマズミの実なども真赤に色を濃くする。 そのころになると、山廬石門の脇にあるドウダンツツジは日一日と紅さを増す。...


炎天に百日紅の花
山廬石門の左に百日紅の木がある。毎年梅雨明けと共に紅色のあざやかな花が咲く。 この木は、龍太が親戚の家から譲り受け山廬に移植したものだが、もう50年近くになる。 百日紅の新芽は「うどんこ病」などにかかりやすいので病害虫の消毒は欠かせない。 今年も5月から梅雨時にかけ散布を施した。


朴の花咲くころ
山桜がすっかり葉桜になって、若葉が次第に濃くなったころ後山を散策するとどこからともなく芳香が漂ってくる。頭上の木々を見上げると、大きな朴の葉の間から真っ白な花が見える。芳香はこの花が初夏の後山に放っているものである。後山には3本の朴の木が自生している。1本はひとかかえ以上あ...


氏神での初詣
山廬のある境川町小黒坂地区の氏神は熊野神社である。地区の南側の木立の中にある。 山廬からは歩いて10分ほどのところだ。 元朝 各戸の家長がこの「氏神さん」に集まる。 午前8時、花火を合図に、区長を先頭に参拝する。 この後、区長が区民を代表して新年のあいさつを行い、お神酒を頂...


柚
飯田家には1本の柚の木がある。もう50年近く前になるだろうか。山廬裏の竹林に柚の苗があった。父に「これはどうして生えているのか」と聞いたことがあった。すると「四国の方から立派な柚を頂いた、その種から芽を出したもの」だそうだ。私に聞かれて思いたったのか、しばらくして父は苗を日...


柿簾
11月に入ると甲府盆地の東部の畑では柿の実が色付く。しかも非常に大きい。「甲州百匁柿」(ひゃくめがき)という渋柿で、1個350gから450gあり、まさに100匁ある柿の実で、たわわに実る。栽培農家では1個ずつ丁寧に鋏で切りとる。枝の両側を1㎝ほど残しておくことが肝要。収穫し...


蛇笏忌のころ
昭和37年10月3日俳人飯田蛇笏(本名 武治)は生まれ育った山梨県東八代郡境川村小黒坂の自宅で逝去しました。明治18年に飯田家の長男として生まれてから、旧制京北中学、早稲田大学に進学した間を除き、その人生を境川の地で過ごしました。...


山廬の四季 8月中旬号
立秋を過ぎると山廬竹林では「露草」が可憐な花を咲かせる。 夜露が残る葉に朝日が当たり、新たな命を感じる。 まだまだ、強い日差しではあるが、朝夕に感じるものは秋の気配である。(撮影/秀實)