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赤松のみどり摘み

山廬にある赤松は樹齢400年の老松。初夏のみどり摘み、晩秋の松手入れ、初冬の雪吊と年間を通じて松の世話をしています。山廬のシンボルともいえる赤松の手入れは神経を使います。きまった庭師が、季節ごとに手を入れてくれます。新芽の伸び具合を見て作業を始めます。今年のみどり摘みはいつもより10日ほど早めました。一番上から高いはしごを使って始めます。この赤松は樹高が8メートルほどありますので、はしごをいっぱいに伸ばしてやっとの高さです。下の方は三脚を使います。三脚も11尺、9尺、6尺と枝の高さに合わせて使い分けます。

何年か前、南に延びる枝の先が勢いが弱くなり心配しましたが、庭師のおかげで勢いを取り戻しました。今年はとても元気な新芽が出て、庭師の目は穏やかになりました。木は生き物です。いつも気にかけていると喜びます。皆さんに見てもらって「立派な松だ」と褒めてもらうと元気になるように私には思えます。

今年はコロナウイルスの影響で、山廬は一般公開を見合わせていますが、この事態が落ち着き、また皆さんに見学していただきたい、赤松に声をかけていただきたい。そんな思いで庭師の手先を見ています。

山廬の赤松

今年の新芽

伸びた新芽を摘みとこんな感じになります

いつもの庭師が一人で作業します。大勢の手が入ると形が崩れます。

〈文/写真 飯田秀實〉

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