柿簾

11月に入ると甲府盆地の東部の畑では柿の実が色付く。しかも非常に大きい。「甲州百匁柿」(ひゃくめがき)という渋柿で、1個350gから450gあり、まさに100匁ある柿の実で、たわわに実る。栽培農家では1個ずつ丁寧に鋏で切りとる。枝の両側を1㎝ほど残しておくことが肝要。収穫した柿はすべて皮をむき各々の家の軒下などにに干す。

「柿簾」は甲州の初冬の風物詩である。山廬には振興会の会員が毎年150ほど届けてくれる。それをひとつづつ、縁側の陽だまりで皮をむき軒下にくくった竹の竿に稲縄で縛り吊るしておく。縄に吊るすとき実に残しておいた枝が役になる。この枝に縄を縛るのである。軒下に干すこと3週間。

甲府盆地はこの季節晴天が続き、乾燥した北風が吹く。この天候により柿の水分は失われ、天日にあたることで実が熟し、

 

 

 

 

 

渋は果糖に変化して甘みを増す。こうしてできあがたものを山梨では昔から「枯露柿」(ころがき)といって冬の常備食として蓄える。また歳暮用としても高価な贈り物として珍重されている。山廬の飯田家でを代々神棚の正月飾りとしても用いる。「かきとるように」と縁起物として飾ると祖父の蛇笏から教えられた。昨年は暖冬でことごとく失敗したが、今年は「枯露柿」造りには適した天候が続いている。(文/写真 秀實)

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