山廬雪景

「山廬」(さんろ)は甲府盆地の東側、御坂山系の麓にある。内陸の盆地特有の気象である「夏熱く冬寒い」一年の気温でその差が著しくあるのが特徴である。炎天では40度になろうかという日もある。極寒は氷点下10度になる日もある。冬の寒さは骨身に沁みる。西北に聳える八ヶ岳から冷たい北風が吹く。朝方八ヶ岳に雪雲がかかった日は特に北風が強く吹く。「八ヶ岳颪」あるいは「八颪」が吹き下ろす。「甲州の空っ風」である。

気温は一気に下がる。

北からの雪雲は八ヶ岳、南アルプスの高山に遮られ、盆地に雪が降ることはあまりない。その代わり放射冷却現象によって気温はぐっと下がる。山廬の主屋は江戸時代の建物で、防寒面では極めて心もとない建物である。以前は居間の湯飲みが朝うっすらと氷っていたほどである。さすがに少し改築してためにそこまでの寒さはないが、やはり冷える。

新年6日夕方、雪が降った。積雪は1センチほど。決して多くはなかった。テレビのニュースでは東京の都心で10センチの積雪を記録したと伝えていた。翌朝氷点下の中竹林に足を運ぶと、見事な雪景色が広がっていた。そこに朝日が差し込み荘厳な景となった。                    (写真/文  飯田秀實)